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水産・食料品サーモン養殖海外日本食需要読了 約3公開 2026年6月21日

オカムラ食品工業2938・東証スタンダード

オカムラ食品工業は、生食用サーモンの養殖から加工・海外卸売までを自社で手がける青森発の水産メーカー。2025年6月期は連結売上約353億円(前期比+8.2%)、営業利益約30.2億円(同+18.6%)で増収増益。海外卸売が売上で最大、養殖が利益率で最も高いという事業構造を持つ。

パッと見でわかる

生食用サーモンの養殖から加工・海外卸売までを自社で手がける青森発の水産メーカー(1971年設立)。

売上高 FY2025(6月期)

353億円

前期比 +8.2%

営業利益

30.2億円

+18.6%

FY2026 会社予想 売上

390億円

+10.4%

自己資本比率

38.9%

利益構造
海外卸売が売上で最大、養殖が利益率で最も高い(養殖 約20.5%)という構造。
なぜ今
世界的なサーモン需要と海外卸売の拡大。

① どんな会社か

1971年に青森で創業した水産メーカーで、生食用サーモントラウトの養殖を起点に、魚卵などの加工、海外での日本食卸売までを一貫して手がける。事業は「養殖」「国内加工」「海外加工」「海外卸売」の4つで構成される(同社IR)。

2005年にデンマークの養殖会社を取得して養殖の知見を取り込み、その技術を国内の養殖事業に展開してきた(同社トップメッセージ・報道ベース)。連結子会社は国内1社・海外8社(2025年6月末時点、同社開示)。

事業別売上構成(FY2025・連結売上 約353億円)
  • 海外卸売31%
  • 海外加工27%
  • 国内加工25%
  • 養殖17%

出所:IRbank セグメント情報(2025年6月期)。セグメント間取引消去前ベース

売上では海外卸売(約110億円)が最大だが、利益率では養殖が最も高い。売上構成と利益貢献が一致しないのがこの会社の特徴で、利益率の高い養殖の伸びが全体の増益につながりやすい構造になっている。

セグメント別の利益率(FY2025)
  • 養殖:営業利益率 約20.5%(4事業で最も高い)
  • 国内加工:約13.5%
  • 海外加工:約10.8%
  • 海外卸売:約5.5%(売上規模は最大、利益率は最も低い)

出所:IRbank セグメント情報(2025年6月期)。各セグメント利益の合計は全社費用・調整前のため全社営業利益とは一致しない

② 強み・濠(moat)

強みは、養殖から加工、海外卸売までを自社で持つ垂直統合にある。原料となるサーモンを自前で養殖できるため、原料を外部調達に頼る加工業者に比べて供給と品質をコントロールしやすい。

主な強み
  • 養殖→加工→海外卸売を自社で持つ垂直統合
  • デンマークで取得した養殖知見を国内養殖に展開
  • 東南アジアを中心とした海外の日本食販売網
  • 魚卵(いくら等)の加工など複数の収益源を併せ持つ

出所:同社IR・トップメッセージ(報道ベースを含む)

③ 置かれている状況

追い風は、海外での日本食・サーモン需要の拡大。とくに東南アジア向けの海外卸売が伸びており、第3四半期累計の経常利益が前年同期比で大きく増えた要因になっている(決算短信ベース)。逆風は、サーモンの原料相場の変動や為替の影響を受けやすいこと。

追い風と逆風
  • 【追い風】
  • 東南アジア中心の海外日本食需要
  • 利益率の高い養殖の構成比上昇
  • 海外卸売の伸長
  • 【逆風】
  • サーモン原料相場の変動・高止まり
  • 為替の影響
  • 養殖は天候・生育リスクを伴う

出所:同社決算短信・IR(2025年6月期〜2026年6月期3Q)

④ 業績の見方

2025年6月期(FY2025)は連結売上約353.45億円(前期比+8.2%)、営業利益約30.21億円(同+18.6%)と増収増益。一方で経常利益は約28.15億円(同-4.0%)、純利益は約20.20億円(同+2.6%)で、営業段階の改善と経常段階の動きにズレがある点は確認したい(IRbank)。

連結売上高の推移
FY2024
326
FY2025
353
FY2026(予)
390

出所:IRbank。FY2026は会社予想

連結営業利益の推移(営業利益率:FY2025 約8.5%)
FY2024
25
FY2025
30
FY2026(予)
38

出所:IRbank。FY2026は会社予想(営業利益 約38.13億円・前期比+26.2%)

FY2026 第3四半期累計(7〜3月)
営業利益 28.5億円

出所:松井証券(決算短信ベース)。売上287.22億円・経常利益31.01億円・純利益21.11億円。経常利益は前年同期比で大きく増加

見るべきは、利益率の高い養殖の量とコスト、そして海外卸売の伸びがどこまで利益につながるか。自己資本比率は約38.9%(FY2025・決算短信)で、有利子負債を活用しながら養殖設備に投資している点も併せて確認したい。

⑤ リスク

主なリスク
  • サーモン等の原料相場の変動・高止まり
  • 養殖特有の天候・水温・生育(へい死)リスク
  • 海外売上比率が高く、為替変動の影響を受けやすい
  • 海外卸売は売上規模の割に利益率が低く、採算の振れがある
  • 設備投資に伴う有利子負債の水準

出所:同社開示・一般的な事業特性に基づく整理

養殖は自然条件に左右される事業であり、計画どおりに育たないリスクは構造的に残る。海外比率の高さは成長の源泉であると同時に、為替や現地需要の変化を受けやすい両面を持つ。

参考文献

※ 本ページは個人の分析・意見・思考プロセスの共有であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 数値は公開情報に基づき作成していますが、正確性を保証するものではなく、投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

公開日 2026年6月21日(一次情報=決算短信・決算説明会等に基づく)