カバーはVTuberプロダクション「ホロライブ」を運営するIP企業。2026年3月期の売上高は493億円(前期比+13.7%)。配信は売上の約2割で、収益の中心はグッズ販売へ移っている。
パッと見でわかる
VTuberプロダクション「ホロライブ」を運営するIP企業。配信は売上の約2割で、収益の中心はグッズ販売へ移っている(2016年設立)。
売上高 FY2026/3
493億円
前期比 +13.7%
営業利益
70.6億円
-11.8%
グッズ(マーチャン)
約48%
売上構成
配信
約19%
売上構成
- 利益構造
- 売上はグッズ等マーチャンダイジングが約48%で柱。FY2026は減益だが、純利益減(-45.7%)の主因はメタバース関連の減損約32億円(特別損失)、営業利益減(-11.8%)は在庫評価減約18億円などの一過性要因。会社はFY2027の純利益を+62.4%と見込む。
- なぜ今
- タレントIPの海外・多角展開とライブ/グッズの拡大。
① どんな会社か
VTuber(バーチャルYouTuber)グループ「ホロライブプロダクション」を運営するエンターテインメント企業。配信を入口にファンを集め、グッズ・トレーディングカード・ライブ・ライセンスで収益化する。2016年設立、代表は谷郷元昭CEO。
売上は4つの区分に分かれる。最大はグッズ等の販売(マーチャンダイジング)で、配信そのものの比率は約2割にとどまる。「配信の会社」というより「キャラクターIPを多面展開する会社」に近い。
- マーチャンダイジング(グッズ等)48%
- ライブ/イベント19%
- 配信/コンテンツ19%
- ライセンス/タイアップ15%
出所:2026年3月期 決算短信/決算説明資料(2026.5.14)。4区分の合計は約493億円。
② 強み・濠(moat)
強みは、配信で育てたタレントIPを複数の収益源に展開できる点にある。ファンとの接点が日々の配信で生まれ、そこからグッズ・ライブ・ライセンスへとつながる構造を持つ。
- 配信を入口に、グッズ・トレカ・ライブ・ライセンスへ多面展開するIPモデル
- ホロライブ(女性)・HOLOSTARS(男性)など複数グループを運営
- 英語圏・インドネシアなど海外にもファン層を持つ
- 直近はトレーディングカードとライセンス/タイアップが成長を牽引
出所:カバー株式会社 公式IR資料/決算説明資料(2026.5.14)。
③ 置かれている状況
推し活・IP消費の市場拡大が追い風。一方で、グッズ販売比率が高いぶん、為替や仕入れ・在庫の影響を受けやすい面もある。会社は海外展開とIPの多面活用で成長を続ける方針を示している。
- 【追い風】
- 推し活・IP消費の拡大
- トレカ・ライセンスの伸び
- 海外ファン層の拡大
- 【逆風】
- グッズ依存による在庫・為替の影響
- タレント・トレンド依存
- 先行投資による費用増
出所:決算説明資料(2026.5.14)等の公開情報をもとに整理。
④ 業績の見方
2026年3月期の売上高は493億円(前期比+13.7%)と増収。一方で営業利益は70.6億円(同-11.8%)と減益、当期純利益は30.2億円(同-45.7%)と大きく減った。
純利益が大きく減ったのは、一時的な費用が主因。会社の説明によれば、メタバース開発の方針転換に伴うソフトウェア資産の減損(約32億円)と、過去の在庫の評価減・除却(約18億円)を計上した。本業の稼ぐ力(売上・粗利)とは分けて見る必要がある。
出所:2026年3月期 決算短信。前期43,401百万円→当期49,330百万円。
出所:2026年3月期 決算短信。前期80.0億円→当期70.6億円。利益率=営業利益÷売上。
出所:2026年3月期 決算短信の業績予想。営業利益は70億円(同-0.8%)だが、当期純利益は49億円(同+62.4%)を見込む=FY2026の純利益減が一過性だったことの裏付け。
⑤ リスク
- タレントの活動状況やトレンドに業績が左右されやすい
- グッズ販売比率が高く、在庫・仕入れ・為替の影響を受けやすい
- 海外展開やプラットフォーム開発の先行投資が費用先行になりうる
- 一時的な減損・評価減が利益を圧迫する局面がある(FY2026に発生)
出所:公開情報をもとに一般的な観点で整理。投資判断は各自で。
参考文献
公開日 2026年6月20日(一次情報=決算短信・決算説明会等に基づく)