レゾナックは、半導体の「後工程(パッケージング)」に使う材料で世界をリードする総合化学メーカー。2026年中間期は売上収益6,769億円、コア営業利益888億円、親会社帰属利益485億円。半導体・電子材料のコア営業利益815億円が全社利益の大半を占め、AI向け後工程材料とデータセンター向けHDメディアが成長を牽引した。会社は通期コア営業利益予想を1,400億円から1,960億円へ引き上げた一方、クラサスケミカルを非継続事業とした表示変更で売上予想は1兆1,650億円へ変更している。
パッと見でわかる
半導体の「後工程(パッケージング)材料」で世界をリードする総合化学メーカー。
中間期 売上収益
6,769億円
前年同期比 +348億円
中間期 コア営業利益
888億円
前年同期比 +542億円
半導体・電子材料 コア営業利益
815億円
2026年中間期
- 利益構造
- 2026年中間期は、全社コア営業利益888億円の大半を半導体・電子材料(815億円)が稼ぐ構造。
- なぜ今
- AI向け後工程材料とデータセンター向けHDメディアが伸び、通期コア営業利益予想を1,960億円へ上方修正。
① どんな会社か
ひとことで言うと、半導体チップを組み立てる「後工程(パッケージング)」の材料をつくる化学メーカー。
チップ自体は作らない。チップを守り・つなぐ材料を幅広く供給する。2023年に昭和電工と旧・日立化成が統合して生まれた。
- 12023年 昭和電工+旧・日立化成が統合して発足
- 2成長の軸を「半導体・電子材料」に集中
- 3半導体の後工程(パッケージング)材料が主力
- 4石化・化学・モビリティ材料も併営
出典:同社IR・会社情報。
出典:レゾナックFY2025決算(報道ベース集計)。単位:億円。主要5セグメント。全社合計 約1兆3,471億円との差は調整・その他。
② 強み・濠(moat)
強みは、半導体の後工程材料で世界をリードする位置づけ。後工程の主要材料の多くで世界シェアを持つ、数少ないメーカーとされる(同社・日経xTECH報道ベース)。
- 後工程材料で世界をリードする位置づけ
- 主要材料を幅広く持ち「面」でまとめて供給できる
- 旧・日立化成の電子材料技術と昭和電工の素材技術を統合
生成AI向け先端パッケージ材料の販売数量が伸び、比率が約2倍に拡大した。
出典:同社FY2025決算説明資料(報道ベース)。
③ 置かれている状況
追い風はAI、逆風は半導体サイクルと化学(石化)市況。利益が半導体に偏るほど、半導体市況の振れがそのまま響く。
- 生成AI・先端半導体の需要後工程材料 ↑
- 先進パッケージ(チップレット等)材料採用 ↑
- 半導体の市況サイクル業績が振れる
- 化学(石化)の市況低迷ケミカル赤字
論点の見取り図(質的整理)。投資判断ではない。
④ 業績の見方
見るべきは「コア営業利益」と「セグメント別の利益」。2026年中間期は売上収益6,769億円(前年同期比+348億円)、コア営業利益888億円(同+542億円)、営業利益733億円(同+407億円)、親会社帰属利益485億円(同+288億円)だった。半導体・電子材料は売上2,990億円・コア営業利益815億円と、全社増益を牽引した。
※中央の線がゼロ。赤茶はマイナス(赤字)。
出典:レゾナックFY2025決算(報道ベース集計)。単位:億円。中央線がゼロ=ケミカルは赤字。利益が半導体に集中する構造が一目で分かる。
もう一つ注意点。中身の力(コア営業利益)は伸びたが、構造改革などの一時要因で会計上のIFRS営業利益は減った。どちらを見るかで印象が変わる。
- 中間期 コア営業利益888億円(前年同期比 +542億円)
- 通期 コア営業利益予想1,400→1,960億円
- 通期 親会社帰属利益予想770→1,125億円
出典:レゾナック 2026年中間期決算短信・説明資料。売上予想の減額はクラサスケミカルの非継続事業化による表示変更を含む。
⑤ リスク
- 半導体市況のサイクル(需要が振れる)
- 利益が半導体に偏り、同事業の不振が全体に直結
- 化学(石化)の市況低迷・一時損失
- 為替変動(円高は利益を押し下げる方向)
一般的な事業リスクの整理。網羅ではない。
参考文献
公開日 2026年8月9日(一次情報=決算短信・決算説明会等に基づく)