レゾナックは、半導体の「後工程(パッケージング)」に使う材料で世界をリードする総合化学メーカー。2023年に昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧・日立化成)が統合して生まれた。FY2025(2025年12月期)の売上収益は約1兆3,471億円(前期比 約-3.2%)、コア営業利益は約1,091億円(前期比 約+170億円)。注目すべきは利益構造で、全社コア営業利益のほぼ全てを半導体・電子材料セグメント(コア営業利益 約1,084億円・過去最高)が稼ぐ。生成AI向けの先端材料が伸びる一方、化学(石化)事業の市況低迷や半導体サイクルという宿命も抱える、利益の偏りが大きい会社だ。
パッと見でわかる
半導体の「後工程(パッケージング)材料」で世界をリードする総合化学メーカー。
売上収益(FY2025)
約1.35兆円
前期比 約-3.2%
コア営業利益(FY2025)
約1,091億円
前期比 約+18%
半導体・電子材料 コア営業利益
約1,084億円
前期比 約+47%(過去最高)
- 利益構造
- 全社コア営業利益(約1,091億円)のほぼ全てを、半導体・電子材料(約1,084億円)が稼ぐ構造。
- なぜ今
- AI向け先端パッケージ材料が伸び、後工程材料の売上に占めるAI関連比率が約10%→約20%へ拡大(同社FY2025説明資料)。
① どんな会社か
ひとことで言うと、半導体チップを組み立てる「後工程(パッケージング)」の材料をつくる化学メーカー。
チップ自体は作らない。チップを守り・つなぐ材料を幅広く供給する。2023年に昭和電工と旧・日立化成が統合して生まれた。
- 12023年 昭和電工+旧・日立化成が統合して発足
- 2成長の軸を「半導体・電子材料」に集中
- 3半導体の後工程(パッケージング)材料が主力
- 4石化・化学・モビリティ材料も併営
出典:同社IR・会社情報。
出典:レゾナックFY2025決算(報道ベース集計)。単位:億円。主要5セグメント。全社合計 約1兆3,471億円との差は調整・その他。
② 強み・濠(moat)
強みは、半導体の後工程材料で世界をリードする位置づけ。後工程の主要材料の多くで世界シェアを持つ、数少ないメーカーとされる(同社・日経xTECH報道ベース)。
- 後工程材料で世界をリードする位置づけ
- 主要材料を幅広く持ち「面」でまとめて供給できる
- 旧・日立化成の電子材料技術と昭和電工の素材技術を統合
生成AI向け先端パッケージ材料の販売数量が伸び、比率が約2倍に拡大した。
出典:同社FY2025決算説明資料(報道ベース)。
③ 置かれている状況
追い風はAI、逆風は半導体サイクルと化学(石化)市況。利益が半導体に偏るほど、半導体市況の振れがそのまま響く。
- 生成AI・先端半導体の需要後工程材料 ↑
- 先進パッケージ(チップレット等)材料採用 ↑
- 半導体の市況サイクル業績が振れる
- 化学(石化)の市況低迷ケミカル赤字
論点の見取り図(質的整理)。投資判断ではない。
④ 業績の見方
見るべきは「コア営業利益」と「セグメント別の利益」。FY2025は売上微減でも、半導体が過去最高益となりコア営業利益は増えた。
※中央の線がゼロ。赤茶はマイナス(赤字)。
出典:レゾナックFY2025決算(報道ベース集計)。単位:億円。中央線がゼロ=ケミカルは赤字。利益が半導体に集中する構造が一目で分かる。
もう一つ注意点。中身の力(コア営業利益)は伸びたが、構造改革などの一時要因で会計上のIFRS営業利益は減った。どちらを見るかで印象が変わる。
- コア営業利益(実力)約1,091億円(前期比 約+170億円)
- IFRS営業利益(一時要因込み)約467億円(前期比 約-47.6%)
- FY2026 コア営業利益(会社予想)約1,400億円(前期比 約+28%)
出典:同社FY2025決算・IRbank(補助)。FY2026はQ1後の会社予想(決算速報ベース)。
⑤ リスク
- 半導体市況のサイクル(需要が振れる)
- 利益が半導体に偏り、同事業の不振が全体に直結
- 化学(石化)の市況低迷・一時損失
- 為替変動(円高は利益を押し下げる方向)
一般的な事業リスクの整理。網羅ではない。
参考文献
公開日 2026年6月29日(一次情報=決算短信・決算説明会等に基づく)