01 3社の違い
3社は、同じレースを走っていない
時価総額・予想PER(株価が予想利益の何倍か)は2026年8月20日終値基準。予想EPS(1株利益)は会社予想ベースです。横にスワイプして3社を比較 →
フジクラ
細いケーブルに大量の光ファイバーを収め、接続・施工まで担います
979.59億円 ÷ 全社1,048.28億円
- 時価総額
- 9.48兆円
- 予想PER
- 27.1倍
- 27/3期 1Q
- 全社営業利益率 26.1%
足元情報通信は売上+83.9%、営業利益+188.3%。3社の中で、光需要が全社利益へ最も強く表れています。
世界での証拠光ファイバー融着接続機で世界トップシェア。1万3,824本の光ファイバーを束ねた超多心ケーブルを、世界に先駆けて商用化しました。
見る数字高い期待を織り込む評価と、日米最大3,000億円の増産投資を利益へ変えられるか。
古河電工
光ファイバーとケーブルに加え、光半導体やデータセンター冷却部品も扱います
165.55億円 ÷ 全社254.57億円
- 時価総額
- 2.73兆円
- 予想PER
- 25.9倍
- 27/3期 1Q
- 全社営業利益率 7.0%
足元光ソリューションと情報コンポーネントの合計営業利益は166億円。前年の29億円から急拡大。
世界での証拠長距離通信の光信号を強める装置(C+L帯デジタルコヒーレント通信システム向けファイバラマン増幅器)で世界シェア30%超。小型接続部品も世界トップクラスです。
見る数字増産・価格改定に加え、水冷の下期立ち上がりが全社利益率をどこまで押し上げるか。
住友電工
光ファイバー、接続部品、レーザー、光半導体の基板まで自社で手がけます
272.46億円 ÷ 全社970.59億円
- 時価総額
- 7.05兆円
- 予想PER
- 20.4倍
- 27/3期 1Q
- 全社営業利益率 7.3%
足元情報通信の営業利益は272億円と前年同期の3.4倍。全社では自動車などの比重が大きい構造です。
世界での証拠会社公表記事の掲載時点では、海底ケーブル用の極低損失光ファイバーで世界トップシェア。材料と部品の双方を内製しています。
見る数字2023年度から2028年度に接続部品7倍、光半導体12倍を目指す会社計画が、全社利益へどう表れるか。
円グラフの基準:各社の「光に近い報告セグメントの営業利益(調整前)÷ 連結営業利益(調整後)」を、2026年4〜6月期で単純計算しました。セグメント範囲は会社ごとに異なり、光以外の製品も含むため、会計上の利益構成比ではありません。全社利益に対する規模の目安です。
02 市場と世界での位置
市場は伸びる。ただし「世界シェア」は製品別に見る
光ファイバ、ケーブル、コネクタ、レーザーでは市場定義も競合も違います。世界の光ファイバー部品市場
比較可能な全社シェアは非開示
確認できるのは、
強い製品の“足跡”
- フジクラ融着接続機世界トップシェア
- 古河電工長距離通信の光信号を強める装置対象製品で世界30%超
- 住友電工海底用極低損失ファイバー世界トップ(会社記事)
| 主要プレイヤー | 米国系 | 中国系 | 日本3社 | 関係・勝負どころ |
|---|---|---|---|---|
| ファイバ・ケーブル | Corning | YOFC | 3社すべて | 高密度・低損失・施工性 |
| コネクタ・接続 | US Conec(共同出資会社) | 現地光部品各社 | フジクラ / 古河 / 住友 | 競争と共通規格づくりが併存 |
| 光源・光モジュール | Coherent / Lumentum | Innolight / Eoptolink | 古河 / 住友 | 部品供給と採用の関係も |
代表例であり、競争相手と協業先の両方を含みます。US ConecはCorning・フジクラ・NTTアドバンステクノロジが株主の共同出資会社です。中国勢はAIデータセンター向けの光通信部品でも存在感があり、日本3社とは部品供給や共通規格づくりの関係にもなります。
03 今後の焦点
次の焦点は「需要」から「供給能力と利益率」へ
会社資料と機関投資家・アナリスト向け質疑から、今後の分岐を3つに絞りました。通信速度は次の段階へ
通信規格は800Gから1.6T、3.2Tへ進み、1秒に運べるデータ量が増えます。サーバー同士を近距離でつなぐ部分(Scale-up)でも、電気配線から光配線へ移る可能性があります。CPO(演算半導体の近くに光部品を置く方式)は、その先の選択肢です。
不足の次は、増産の質
3社とも能力増強を急ぎます。受注量より、歩留まり(良品になる割合)・価格・品種構成が営業利益率へどう出るかが重要になります。
ケーブル以外へ利益が広がる
古河電工の通信用レーザーや冷却部品、住友電工のレーザー光源や光半導体材料、3社の小型接続部品など、ケーブル周辺へ利益源を広げられるかが焦点です。
決算で追う3つ
- 光に近いセグメントの営業利益率
- 増産後の数量・価格・品種構成
- 次世代通信や電気と光を組み合わせる製品の量産採用
市場拡大は3社共通。
どこまで光の利益が全社へ染み出すかが、違いを生みます。